法人保険で節税をするための5つのステップ

法人保険には節税効果が高いというメリットがあります。
節税するには経費として認められる分を増やすという方法が一般的となっています。
しかし一度支払が必要となった経費は戻ってこない事が多いです。
法人保険なら解約すると解約返戻金の受け取りが出来ます。
一度支払した保険料が戻ってくるのが法人保険の大きなメリットとなっています。
そんな法人保険による節税が出来るまでには様々なステップがあります。
初めて加入するために良く分からないという法人の方のためにこれから紹介していきます。
リスクに合った法人保険を選んで見積りを貰う
まずは法人の方のリスクに合った法人保険を選ぶことが必要です。経営者リスク、従業員リスク、賠償リスク、地震災害リスクなど様々なリスクがあります。
製造業、サービス業、小売業、建設業、運送業、食品、医療など業種によって想定されるリスクが異なります。
初めて加入する場合はどの法人保険を選んだら良いのか分からない事がありました。
そんな時でも法人保険の代理店にて相談すれば保険のプロから適切なアドバイスが受けられます。
相談する時にはどんなリスクに備えたいのか、保険のプロに伝えておきます。
代理店によっては相談窓口ダイヤルを用意している場合があります。
忙しくて代理店まで出かけられないという時でもまずは電話で相談出来るというメリットがあります。
土日祝は時間外という事が多いため、平日に電話で相談する事が必要です。
気になる法人保険が見つかったら、見積りを依頼します。
業種や所在地、売上高などに合った見積りとなっています。
複数社の見積りを比較して選ぶという方法もあります。
この方法には保険料の節約が期待出来るというメリットがあります。
ホームページにあるお問い合わせフォームから見積りの依頼が出来る代理店もあるために手間は掛かりません。
見積りを依頼する前に保険証券、損益計算書、建物登記簿謄本など、保険料算出に必要な書類を準備しておくとスムーズです。
また、保険代理店に直接電話をする前にネット上で情報を集めておくことも重要です。
例えば以下のようなサイトを使って商品の比較情報を集めることができます。
法人保険比較.net~おすすめ人気商品ランキング~
申し込みから補償を受けるまで
納得出来る提案や見積り提示があった時はその法人保険への申し込みを行います。郵送で申し込み書が届きますので必要事項に記入し、捺印しておきます。
同封の返信用封筒に入れて代理店に送付します。
補償内容を良く確認してから申し込みを行って下さい。
1週間から2週間ほどで保険証券などが郵送で届きます。
申し込み内容に合ったものかどうか確認して下さい。
保険証券などは紛失しないよう、大切に保管しておく事が必要です。
補償内容が重複しているなどで加入済みの法人保険が不要になる事があります。
その場合は加入保険会社または代理店に連絡して解約しておきます。
法人保険に加入後、リスクが発生した時には補償が受けられます。
加入保険会社または代理店に連絡し、保険金の請求手続きを行います。
契約者名、証券番号、リスク発生の日時、場所、状況などを知らせる事が必要です。
リスクが発生した直後は気が動転してしまう事があります。
事前に整理しておいてから連絡するとスムーズです。
連絡後、補償内容に該当している場合は保険金の支払が行われます。
事業所や事務所の移転などで住所変更があった時も加入保険会社または代理店に連絡しておいて下さい。
契約する時に契約のしおり、重要事項説明書などが貰えます。
保険金請求について分からない点がある時は確認してみて下さい。
法人保険で節税するための出口戦略
法人保険で節税したい時に重要なのが出口戦略です。参考:出口戦略とは
加入する前に出口戦略の事まで考えておいた方が良いです。
法人保険での損金計上は保険料全額または2分の1となります。
法人保険を解約した時に受け取り出来る解約返戻金は雑収入扱いとなるため、税金が掛かってしまいます。
これでは税金の支払が先に延びただけ、法人保険で節税するという目的が果たせません。
目的を果たすには受け取りした解約返戻金の使い道を考えておくという出口戦略が有効です。
出口戦略には解約返戻金を退職金に充てるという方法があります。
解約返戻率がピークを迎える時期と将来多くの退職金が発生する時期と合わせておきます。
長期平準定期保険は退職金の積立にも良く利用されている法人保険です。
95歳満期や100歳満期など保険期間が長いため、多くの退職金が発生する時期が分からないという時にも便利です。
その他にも解約返戻金を設備投資に充てるという方法があります。
不動産経営の場合は物件の取得費用や大規模修繕やリフォーム費用に充てるといった事が可能です。
その他にも法人保険に再加入するという方法もあります。
順調に利益が上がっており、事業を継続したい場合は同じ法人保険に加入し、節税を行っていきます。
分割解約について
法人保険を解約した時の解約返戻金は多額になる事が多いです。解約返戻金が5000万円あり、2分の1損金として認められた場合、2500万円が課税対象となります。
法人税率が30%だった場合、750万円も支払しないといけません。
一度にまとまった解約返戻金の受け取りが出来ても使い道に困る事がありました。
将来の退職金発生が少ない、大きな設備投資が不要といった事業の場合は尚更です。
そんな時は法人保険の分割解約を行うという方法があります。
時期をずらしながら分割解約を行うと、1回当たりの解約返戻金が少なくなります。
そのため経費として使い易くなるというメリットがあります。
法人保険を分割して契約するという方法には一つ注意点があります。
それは保険料の割り引きが受けられないという点です。
保険会社にもよりますが、保険料が高くなると割り引きするという法人保険があります。
分割して契約すると1つ当たりの保険料が低くなります。
そのため1口契約するより、トータルの保険料が高くなる事があるのです。
割り引きが無くても分割契約した方が良いのか、1口契約で割り引きを受けた方が良いのか、良く計算する事が必要です。
良く分からないという時は保険のプロに相談してみて下さい。
名義変更を行い相続税の負担を減らす
日本では相続税の負担が大きいです。そのため残された家族に大きな相続税が発生する事がありました。
相続税の負担を減らすために生前贈与するという方が増えています。
相続税の支払が困難だと、会社の存続が出来なくなるという恐れがありますが、そんな時は法人保険の名義変更を行うという方法があります。
給料や賞与などで資産移転を行うと所得税や市民税の支払が増えてしまいます。
他の税金が増えてしまったのでは節税の意味が無くなってしまいます。
しかし法人保険なら賢い資産移転が出来るというメリットがあるのです。
低解約返戻金型では保険料を支払している期間の解約返戻金が低いものの、保険料がお得というメリットがあります。
さらに保険料の支払期間が終了すると解約返戻率が高くなるというメリットもあります。
低解約返戻金型では65歳で110%、70歳で115%、75歳で120%と100%を超えてくる場合があります。
終身保険のために保険料はずっと変わりません。
貯蓄性が高いというメリットを活かすと賢い資産移転が行えます。
ただし早期に解約してしまうと損するために注意が必要です。
その他にも長期間保険料を支払するのが基本のため、保険の見直しが行い難いというデメリットがあります。
まとめ
法人保険の契約や出口戦略、メリットやデメリットなどについて説明してきましたが如何でしたか。契約する時は意外と簡単なものの、出口戦略は中長期のために難しくなっています。
出口戦略の事まで考えておかないと、節税の意味が無くなるために注意して下さい。
どんな出口戦略を行えば良いのか分からない時は保険のプロであるファイナンシャルプランナーに相談してみて下さい。
その時は信頼出来る保険のプロを選ぶ事が重要です。
いくつかの代理店で相談してみて説明の分かりやすいところを選ぶと良いでしょう。