これだけ読めばわかる法人保険の仕組みと種類

「法人保険で節税対策や退職金の積立てができると聞いたが、いったいどんな仕組みになっているのだろう?」

「法人向けの保険は種類が多くあるが、結局どれを選んだら良いのだろう?」


このような疑問やお悩みをお持ちの経営者や保険担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

確かに法人保険とは複雑で種類も多く、保険資料の中には専門用語も出てくるため、読み進めるには気合いが必要ですよね。

この記事では法人保険を徹底的に調べた筆者が、皆様に加入を検討する上で知っておくべき基礎知識や、知らないと損するメリットをわかりやすく解説していきます。

それでは、レポートを4つの必須単語とは何か、から順にみていきましょう。


法人保険とは

– 4つの必須単語

法人保険とは、経営者・役員、従業員を被保険者とし、企業が保険料を支払う保険のことを言います。

解説を始める前に、法人保険を理解する上でキーワードとなる4つの必須用語の意味を一緒に確認していきましょう。

・契約者とは?

言葉通りですが、保険契約をするときの契約者です。

法人契約では契約者は常に「法人」になることを覚えておきましょう。

・被保険者とは?

保険を掛ける対象のことです。
法人の場合対象は、経営者・役員、または従業員となります。

・損金とは?

損金とはわかりやすく言うと、「費用の一部」です。

法人税を計算する際は以下の式を使います。

ありがとうございます。「益金-損金=所得」

※ちなみに会計上では、「収益(売上)―費用(経費)=利益」という計算となります。

益金から損金を差し引いた金額が所得金額となり、企業は所得金額に応じて法人税を支払うので、節税を考える上で損金という言葉は最重要単語です。

・解約返戻金とは?

解約返戻金とは、簡単に言うと、「保険契約を解約(解除)した際に払い戻されるお金」のことです。

解約返戻金は通常、保険期間の長さに比例して増加し、保険タイプによっては解約返戻金が支払い保険料を超えるタイプ(払ったお金より多くのお金を受け取れるタイプ)もあります。

また、支払い保険料に対して、解約した際に戻ってくるお金の割合を解約返礼率と言い、返礼率の高い時時に保険を解約することで、節税をしながら効率的に資産形成が可能です。

ここまでご紹介した4つの単語とその前提は、今後法人保険について考える際に頻出単語となっているので、最低限覚えておきましょう。

– 法人と個人の契約内容の違いとは?

また、皆様が最も気になる点は「どうして個人としてではなく、法人として契約をするのか?」という点ではないでしょうか。

そもそも法人保険は大きく分けて生命保険と損害保険の2種類。

実はどちらの法人保険に加入しても、保障内容には個人保険とあまり違いがありません。
では、どういった点が個人保険と異なるのでしょうか?

個人保険にはない法人保険の特徴、それは下記の2つです。

1つ目は、節税対策ができる点です。

法人契約は、個人契約とは比べものにならないくらい支払う保険料も受け取る保険金も高額です。

そのため、法人保険を上手く活用することで大きな節税効果を期待できます。

節税の仕組みについては、後ほど詳しくご説明します。

2つ目は、資産形成ができる点です。

解約返戻金を活用して、退職金準備、緊急資金準備などの資産形成が可能です。

こういった法人保険にしかない特徴を理解することは、会社経営者の皆様においては「個人の資産」と「会社の資産」の両方を守る上で非常に重要です。

法人保険では、被保険者を「経営者・役員」設定するパターン、または「従業員」に設定するパターンの2パターンありますが、既に上記でも申し上げた通り契約者は必ず「法人」となります。

参考:「法人契約と個人契約」生命保険研究ラボ


ここまでで法人保険の4つの必須用語とその前提、個人保険との違いをご説明しました。
それではいよいよ、法人保険に加入するとどのような「メリット」があるのか解説していきます。


企業にとってのメリットとは?


法人保険の目的は個人保険と同じく、経営者・役員や従業員の不測の事態への「保障」です。

上記以外にも法人保険には、保障を受けながら、節税対策や退職金準備ができる等のメリットがあります。

いかに税金を減らしながら、財務強化するかということは経営者の皆様の共通の悩みかと思います。

では、法人保険にはどのようなメリットがあるのか、下記で具体的にみていきましょう。

・経営者・事業の保障

経営者・役員の死亡、病気や怪我などのリスクに備えることができるというメリット。

特に個人事業主・小規模の会社の経営者の皆様に万一のことがあった場合、会社に与える影響は多大な為、経営危機に陥る可能性もあります。

そのような場合に、死亡保険金や給付金、解約返戻金を事業活動資金に充当することが可能です。

・節税効果

法人が支払った保険料は一部、または全額「損金」として、課税前の費用に算入できるというメリット。

その為、課税対象となる利益(課税所得)が圧縮された結果、税金を減らすことができるという仕組みです。

損金計上できる割合は、保険タイプによって下記4種類に分類されます。

  1. 全額損金タイプ
  2. 1/2損金タイプ
  3. 1/3損金タイプ
  4. 資産計上タイプ

節税対策には支払い保険料の全額を損金処理できる「全額損金タイプ(全損タイプ)」が最も有効ですが、全損タイプは解約返戻率が低いというデメリットもあります。

・退職金の準備

解約返戻金を活用して、節税しながら退職金の積立ができるメリット。

経営者の皆様にとって自身の退職金や役員の退職金をどのように積み立てるかお悩みの方も多いかと思います。

会社の預金としてキャッシュで退職金を積み立てた場合、積立金は所得として課税対象になります。

法人保険を活用すれば、経営者・役員の勇退時期に合わせて、保険の解約返礼率がピークになるよう設定し、返戻金を退職金に充当できます。

この場合、退職金は損金として処理され、節税しながら効率的に退職金準備ができます。

・財務強化

解約返戻金のある保険を活用し、効率的に資産形成ができるメリット。

貯蓄性の高い保険を選ぶことで、節税しながら緊急資金を積立が可能です。

会社のお金を一部、保険会社に預けるイメージです。

また資金繰りに困った時に、契約者貸付制度を利用して、解約返戻金を担保に保険会社からスピーディーに資金調達することも可能です。

・福利厚生

従業員を被保険者として保険に加入することで、従業員の死亡、病気や怪我などの万一のリスクに備えることができるというメリット。

会社の運営には経営者ももちろん重要ですが、従業員いてこそ会社の存続が可能です。

福利厚生として従業員向けの保険を導入することで、従業員が安心して働ける環境を整えることができます。

また、従業員にかけた保険を退職時に現物支給することで、退職金の代わりに活用している企業もあるようです。

法人保険の種類

法人保険には様々な種類があり、目的によって経営者向けプラン従業員向けプランに分けられます。
下記では法人契約で一般的な法人保険の種類をご紹介します。

※より詳細な情報が知りたい方は“法人保険の種類と比較ポイント”で解説しています。

【経営者向けプラン】


・逓増定期保険

経営者の死亡保障を目的とした生命保険の一種。

解約返戻金を活用し、節税をしながら中長期的な資産形成が可能。

会社の経営者・役員の退職金準備によく利用される種類。

・長期平準定期保険

逓増定期保険と基本的に仕組みは同様。

年齢制限があり、保険料支払い期間がより長いため、大企業の役員の退職金準備に活用されることが多い種類。

・養老保険

死亡保障のある貯蓄性の高い生命保険。

経営者に万一のことがあった場合に、あらかじめ決めた死亡保険金が受け取れる。

死亡保険金を支払う必要がなかった場合は、死亡保険金の同額の満期保険金を受け取ることができる。

・医療保険

経営者が病気や怪我になった際に医療費の保障が可能。

保険内容としては個人保険と同様。

・がん保険

経営者ががんになった際に、医療費の保障が可能。保険内容としては個人保険と同様。

【従業員向けプラン】

・養老保険(福利厚生プラン)

被保険者を「従業員」、死亡保険金の受取を「従業員の遺族」、満期保険金の受取を「法人」にすることで損金1/2処理が可能。このプランはハーフタックスプランと呼ばれ、法人向けの養老保険の中で最も一般的なプラン。

・定期がん保険

従業員の在職中のがん保障。福利厚生として取り入れることが一般的。

・定期医療保険

従業員の在職中の医療保障。福利厚生として取り入れることが一般的。

まとめ

この記事では、法人保険とはというところから種類まで基本知識をご紹介してきました。

法人保険を上手く活用することで、保障を受けながら様々なメリットを享受できるということをお分かりいただけたのではないでしょうか。

法人保険の上記で紹介したメリットを享受するために、法人保険の仕組みを正確に理解し、会社の規模や目的に適した商品を選びましょう。

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